東北ふたり旅の物語/関野菜子

「日本って素敵だなあ」

先週、ニューヨークへ旅行に行って改めて感じたことです。
外から見ると、また違った角度で日本を見ることができます。
だから、この場所でこれからも日本の中で魅力の詰まった場所をわたしなりに表現し、発信していきたいと思います。

そこで、今回は『東北』の魅力について!
この夏に、友人と“青春18切符”を使って、5日間かけて東北をぐるっと旅してきました。
それ以外の場所で見て、感じて、なによりも愉快な友人と楽しんだ気持ちを綴ります。
その中で、東北の魅力を感じていただけたら嬉しいです。

そして、いきなりですが!実はわたし、フィルムカメラが趣味です!
今回の旅でもフィルムを通してたくさんの景色を切り撮ってきたので、
その写真たちと共に、『東北ふたり旅の物語』と題した【物語】をお届けします。

インスタグラムでは、9枚の写真で構成されたこの物語を投稿していますので、
よろしければ、わたしのアカウントも見てくださいね(笑)(@__kohaku_iro__)

では、少し前置きが長くなりましたが…
『東北ふたり旅の物語』始まりです!

この夏、愉快な君と旅に出た。
君との旅は、出会うもの、ひと、景色、すべてに恵まれていた。

舞台は東北。
“青春18切符”を使ってのんびり電車の旅。

車窓をこんなにもじっくりと味わったのははじめてだった。
毎日5時間近く電車に揺られながら見る景色はすべてが優しく、夏の暑さを和らげてくれていた。

ぼーっと眺める窓の向こうに向日葵が見えてきた。
向日葵がすべてこちらに背を向けているのを見て、
「太陽があっちの方にあるんだね。」と言ってくれる君。
その時、この人と出会えて本当によかったと思ったんだ。

電車に揺られ、まずは仙台へ。
町は七夕まつりで賑わっていた。
商店街に飾られた個性豊かな「飾りの名前」たち。
大きな短冊がいくつもあるようで、たくさんの人々の願いを感じることができた。

その日は夜のうちに秋田へ行き、一泊。
仙台で買ったお土産の笹かまぼこやお菓子を自分たちで頬張る。

2日目は「リゾートしらかみ」に乗って青森を目指す。
中で駅弁を食べたり、途中下車してバスケットのゴールチャレンジがあったり、
三味線コンサートなんかもあったりして楽しませてくれる。
なにより、一番綺麗な景色の見どころスポットでは速度をがくんと落としてくれるので、写真も撮り放題である。

さて、青森に到着。
この旅で最も濃い時間を過ごした場所に違いない。

着いた日は、ちょうどねぶた祭りの最終日で、花火と一緒にねぶたを見ることができた。
この花火が、私の22年間の人生の中で最も素敵な花火だった。

余計なBGMがかからず、大きな花火が上がるたびに、観衆から大きな拍手と歓声が上がる。
そんな当たり前かもしれない光景が温かく、新鮮だった。

青森の人は、【幸せのおすそわけ】が本当に上手だった。
ふたりで歩いていたら、地元のおじちゃんが駅の周辺を案内してくれた。
民泊させていただいたおうちの方は、夜遅くなっても家の前まで出て待っててくれたし、
出発のときには、朝市で買ったとうもろこしを茹でて持たせてくれた。(これが最高に甘くておいしかった)

そんなおすそわけをもらいながら、美術館などを巡り、青森をあとにする。
「今度は青森県だけでも旅行したいね!」と二人で笑顔になる。
そのくらい、素敵な場所だった。

岩手県盛岡で途中下車し、「名物だしね」と、盛岡冷麺を食べた。
そのまま福島まで一気に下がる。

 

 

福島では、素敵な喫茶店に出会った。
カウンターの目の前にずらっと並んだ食器棚から自分好みのカップを選び、
マスターに棚の番号で伝える。
わたしが選んだカップは、岐阜県で作られたカップだった。
ここでもまた、旅をしているような気分になれる。
自分で選んだカップで飲むコーヒーはいつもよりもおいしく感じた。

そしていよいよ最終日。
福島から宇都宮まで下り、最後の晩餐。もちろん宇都宮餃子をいただいた。
あとはもう、東京までおしゃべりしていたらあっという間。
こうして、青春18きっぷの旅は幕を閉じた。
世界中に自慢したいくらい素敵な旅だった。
それは、君と一緒だったから。

まだ出会って半年も経っていなかった。
だから、あまり知らない君を、知る旅だった。
君は思っていたよりずっと、
愉快で楽しい、それでいて繊細な優しさをもつ人だった。

自然と共に生きていること、
その流れの中に私たちはいること、
大袈裟だけれど、そんなことを君が教えてくれたんだ。

旅の一瞬一瞬が、いとしい宝物になった。
お互いをさらけ出し、知り合った5日間。
今までに感じたことのないあったかい愛をくれた東北に、
そして、かけがえのない時間を共に過ごしてくれた君に、
心からありがとう。

またきっと、旅に出よう。
ずっと素敵な景色をみていよう。

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