#MeToo運動はなぜ日本で盛り上がらなかったのか?/Arisa

Hola! It’s Arisa 🙂

11月も終わりに近づき、どこもすっかりクリスマスムード一色。
そして2018年も残り1ヶ月。Time flies!

年末に近づくにつれ、この一年を振り返る事が多くなりますよね。
今年はどんな年だったか、来年はどんな年にしたいか考え始める時期。

個人的な振り返りも面白いですが、社会の動きに着目するのも興味深い。

ということで、私はfeminismにスポットライトを当てて2018年を少し振り返りたいです。

日本のメディアでも毎年取り上げられていますが、アメリカでは1月にゴールデングローブ賞が発表されます。今年の授賞式のレッドカーペットを見ていた方は気づかれたかと思います。例年と何か大きく違いましたよね。

そう、ほぼ全員が黒を身に纏っていたのです。この現象の背景にあったのがTime’s Upという運動。Time’s Upのピンをスーツやドレスに付けていた俳優も多くいましたね。

Time’s Upとは何か。を説明するためには話を#MeTooに戻す必要があります。

去年の10月以降、SNS上で#MeTooが世界中で使われるようになりました。このハッシュタグはセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)などの被害体験を告白・共有する際に使用されています。

#MeTooは様々な形の性暴力に対する運動である一方、Time’s Upのゴールは職場における性差別やセクシュアルハラスメントに対する抗議。201811日にNatalie PortmanEmma WatsonMeryl Streepなどを含むハリウッド業界の女性300人以上が団結して開始した運動です。

Time’s Upは始動した日に「Dear Sisters」と題されたとてもパワフルな手紙を発表した他、職場におけるセクシュアルハラスメントの被害者に法的支援を提供する「TIME’S UP Legal Defense Fund」という弁護基金を設立し、2200万ドルを超える資金を集めています。更に、セクシュアルハラスメントを許す企業を罰する法律の整備を推進し、性的虐待者を保護する秘密保持契約の使用に抗議しています。

#MeTooのキャンペーンは性的嫌がらせの被害者に声を上げるよう促し、セクシュアルハラスメントに対する問題意識を高めました。Time’s Upは声をあげた人達を守り、一緒に戦い、問題への解決に向けた具体的な行動を提示しました。この二つの運動はとても大事な議論の口火を切ったのです。

そして大物映画プロデューサーHarvey Weinsteinのセクシャルハラスメント行為を暴露した記事が出てから1年経った今年の104日、アメリカの雇用機会均等委員会(EEOC)は異例のセクシュアルハラスメントに関するデータの報道発表をしました。

EEOCが起こしたセクシュアルハラスメントを巡る裁判の件数は昨年より50%増加、セクシュアルハラスメント容疑で告訴した件数は12%増加、セクシュアルハラスメントの被害者のために勝訴した賠償金額は7000万ドルと昨年よりも2250万ドル多かったのです。これらの増加の背景には確実に#MeTooTime’s Upがあります。

#MeToo運動は残念ながら日本ではあまり広がりませんでした。日本では(特に女性が)声を上げること、抵抗すること、社会を批判することが格好いいと評価されないことが大きな要因でしょう。

「女性が輝く社会」を本当に実現したいならば、意識を大きく変える必要があります。女性を労働力としてしか見なさない経済政策では「見せかけの変化」しかもたらせない。

セクシュアルハラスメントが人権に対する侵害であることへの認識。ハラスメントを受けたと感じた人が安全に声を出せる環境づくり。声をあげること、体験談を共有することがどれ程勇気のある行動かに対する理解。被害者の保護と救済のための法律の整備。全て必要です。

言うまでもない事ですが、構造上の変化をもたらすのはとっても難しい。しかし、2018年は変化の始まりの年だったと思いたいです。

日本もこの変動の波にしっかり乗って欲しい。言葉を行動に移して欲しい。もちろん、人任せでは何も変わらない。被害者をこれ以上生まない社会になるためには私達一人一人が意識を変えなくてはならない。もっと思いやりを持って周りと接し、助け合う社会になろう。

I believe in change.

What do you believe in?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です